コンサルティングファームの機能と役割

コンサルティングファームと名乗る企業は少なくないですが、社会の中で、いったいどのような機能・役割を果たしているのでしょうか。

「コンサルティング」とは?

もともとは専門家による助言

そもそも、「コンサルティング」とは何なのでしょうか。英語のconsultの意味が「(専門家等に)助言・意見を求める」ですので、もともとコンサルタントは専門家として、クライアントに助言するための存在、そしてコンサルティングファームはそういった人々の集団、ということになります。したがって、経営コンサルティングファームというのは、クライアントが経営上の課題を解決するために助言=解決策の提示を行うことがもともとの役割でした。イメージとしては、コンサルタントが経営の先生として、クライアントに教えるような関係です。

近年は助言だけではなかなか難しい

しかし、近年では、助言だけを売り物にしていくのでは、事業として厳しくなっています。これにはいくつか理由があるが、主として2つあります。それは、コンサルティングファーム-クライアント間の知識格差が縮小したためクライアント側が使い慣れてきたため、です。

それぞれ詳しくご説明しますと、前者については、高度情報化社会が進み、インターネット検索をすれば、誰でもある程度の情報にアクセスできるようになったことや、一般事業会社の社員でもMBA(経営学修士)の取得が珍しくなくなってきたためで、後者については、コンサルティングファームを活用したことのある会社が増えてきたことで、耳心地がよい言葉が並んでいるが、現実性に乏しい、「絵に描いた餅」のような戦略には意味がない、という考えを持つ企業も増え、「じゃあどうやるのか」という部分も含めて支援しないと満足されなくなってきているためです。

今日のコンサルティングファーム

クライアントに対する立ち位置

というわけで、現在は「問題解決に関する助言(=戦略立案)」と「解決策の実行支援」という二つの機能を兼ね備えたファームが一般的になっています。クライアントに対する立ち位置も、経営の専門家として先生のような立ち位置ではなく、同じチームの一員として、一緒に伴走するような立ち位置となってきました。言うなれば、ともに戦場に出る軍師のような立ち位置でしょうか。なお、しばしば各ファームを「戦略系」や「会計系」、「総研系」といったように区分けすることがありますが、現在「戦略系」でも実行支援をしているファームも少なくないですし、「会計系」でも戦略立案部隊があるところが多いですし、「総研系」でも調査・分析しかやっていないわけではないので、あまり強く意識する必要はないでしょう。個社ごとにどこに重きを置いているかを確認した方がよいです。

コンサルティングファームの存在価値

ところで、立ち位置が変わったことで、コンサルティングファームの存在価値も変わってきました。もともとは先述のとおり、助言に含まれる専門知識が大きな価値でしたが、現在は社員に替わって、あるいは社員に加えて、コンサルタントという有能な人材に業務を遂行してもらうことが大きな価値となっています。また、コンサルタントがもたらす知識も、専門性より、第三者がいうことによる客観性の担保やクライアントの社内からは出てきづらい異なる視点の提示、という部分に重きがおかれるようになりました。

コンサルティングファームのビジネスモデル

基本は3~6か月契約を都度更新

コンサルティングファームのビジネスモデルですが、3~6ヵ月単位で目的とするアウトプットを定めたうえで契約を結び、コンサルティング料を得ています。契約の種類としては、準委任形態が多いですが、請負形態の場合もあります。 請負形態の場合、アウトプットが必須となりますが、大体は企画書や報告書のようなドキュメントになります(準委任形態でもこういったドキュメントを作成することはありますが、契約上の義務ではありません)。

コンサルティング料の決め方はコンサルタントの人件費ベース

各契約におけるコンサルティング料は、そのコンサルタントの人件費単価に想定稼働時間を乗じることで定めるのが一般的です。ちなみに、戦略立案だけでは厳しくなってきたのにはこの料金の決め方に関する慣習による部分もあります。というのも、考案する課題の解決策の良し悪しは、必ずしも時間に比例するものではないので、時間で決めると必ずしも適正なコンサルティング料とはならなくなってしまうためです。

コンサルティングファームの今後

今後も、基本は有能な人材が効率的に業務を遂行しつつ、社内からは出てこない新たな観点の提供や客観性の担保などを求められる傾向は続くでしょう。今後のコンサルタントは頭も手も足も使える人間でないと通用しなくなってくるかもしれません。

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