本コラムでは、コンサルティングファームの中途採用における一般的な選考フローについて、ご説明します。
大まかな流れ
細かいフローはコンサルティングファームによりけりではありますが、概ね、以下のような流れです。
書類選考→(筆記試験)→複数回の面接→内定
以下各フェーズについて、説明していきます。
各フェーズについて
書類選考
第一のステップは、書類選考です。履歴書・職務経歴書の書き方についてコンサルティングファーム特有の事項は特にはなく他の業界の会社を受ける際と大きく変わりません。ただ、他の業界に比べ、学歴という、テクニックではどうにもならない部分が重視されてしまいます。正直に申し上げて、基本的には新卒に限らず、中途採用でも、高学歴でない人はよほど業界経験が長い等でなければ厳しいので、元も子もないですが、学歴に自信のない方はそもそも入りたくても受けることすらできません。
高学歴でないと厳しい理由としては、コンサルという仕事はそもそも高度な論理的思考力が要求されるので、一定以下の学歴ですと、そういった高度な論理的思考力を持ち合わせていない可能性が高いと考えられてしまいます。また、クライアントも高学歴である場合が多く、クライアントより偏差値が下位の大学出身のコンサルタントの意見に説得力を持たせられない場合もあるためでもあります。
筆記試験
ファームによっては、面接の前に筆記試験が課される場合があります。筆記試験の内容としては、SPIやGMATのような、 最低限の計算力や情報処理能力、日本語の語彙力を問うもので、足切りをするためのものです。不安な方は多少試験対策はした方がよいと思いますが、この筆記試験の成績がよければ採用されやすくなるようなものではないので、対策に時間をかけすぎる必要はないでしょう。
面接
面接の回数と面接官
面接回数は2~5回程度が相場です。事業会社では人事部による面接が一般的ですが、コンサルティングファームではコンサルタントが行い、そして面接官となる社員の方々はその後入社すれば上司や同僚になる、というパターンが多いです。希望する職位にもよりますが、現場レベルのコンサルタント→管理職→役員級となります。
面接の傾向
上記のように面接官は入社後同じチームになるような社員さんなので、面接官からすると自分の同僚や部下となったときに一緒に気持ちよく働けるか、という目線でシビアに見ることになります。そのため、単純な能力や適性はもちろん、人間性も大いに判断対象となるでしょう。細かい質問については、「コンサルティングファームの面接で聞かれる4つの質問」をご参照ください。
ケース面接の有無
中途でもケース面接を課すファームは少なくないです。特に戦略系ファームや総合系といわれるファームの戦略部門の採用面接ではほぼ確実に課されるでしょう。それ以外のファームでも、企画や戦略といったいわゆるビジネスの上流部分のコンサルティングを行うファーム・部門でも、課される可能性は低くありません。こういったファーム・部門を受けられる方は十分に対策しておく必要があります。
英語面接の有無
英語面接は外資系かつ本部とのやりとりが多いファームで課されることがあります。また、日系のファームで課されることはほぼないですが、海外クライアントが多いファーム・チームだと英語での面接を課されます。経歴や志望動機、自己PRは英語で言えるようにしつつ、想定問答を作っておくとよいでしょう。
内定後
もし内定となった場合には、ポジションや給与・賞与などの雇用条件がファーム側から提示されます。あとは、他の業界と同じように、入社日等を決めるなど事務手続きをすることとなります。